The Life Records Of Zeronicle

一度きりの人生の記録

記憶に自信が無い男

以下は事実を元にした話である。



仕事からの帰り道。

男はドラッグストアに立ち寄った。

目的は髭剃り用のジェルとT字剃刀の替刃の購入だ。

色々なコーナーがあり、男性用カミソリがどこに置いてあるのかすぐにはわからなかった。

ちょうど近くに店員がいたので、男性用カミソリが置いてある場所を尋ねた。

「あちらのコーナーにあります。」

男は店員に礼をいい、男性用カミソリのコーナーに向かった。

目的のものはあった。髭剃り用のジェルと剃刀の替刃は、どちらも多種多様であった。

髭剃り用のジェルはいつも使っているものを選んだ。パッケージが独特ですぐわかる。

しかし、替刃の方は違った。

置いてあるのは主に2つのメーカーだった。SchickGillette

自分が使っていた剃刀はどっちかなのは確かなのだが、どっちを使っていたんだっけ…。

T字剃刀がヒントになるかもしれない。

男はそう思い、T字剃刀を手に取ってみた。

Gilletteは少々ごつごつしており、いかにも男らしいデザインであった。

それに比べてSchickはシンプルだ。余計なものは一切ない。

自分が使っている剃刀は振動により毛を立たせて剃るというような機能は無く、シンプルな剃刀だ。

機能だけでいえば、Schickに近い。しかし、本当にSchickなのだろうか…。

男は自分に自信が持てなかった。

男は髭剃り用のジェルだけを持ち、会計を済ませてドラッグストアを後にした。

家に帰って自分のT字剃刀を確認する。

剃刀のメーカーはSchickだった。男の直感は当たっていた。

しかしながら、もし間違っていた時、4000円以上の金が無駄になってしまう。それは大きな痛手だ。

今回の対応は間違っていなかった。

男はそう自分に言い聞かせた。

fin.

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