The Life Records Of Zeronicle

生きた記録をここに残す。とかっこよくいっていますが、ただの日記です。

眠れぬ夜の三重苦。犯人は5歳児と―

実際に起きた話をストーリー仕立てにしました。どうぞご覧くださいませ。

みんなが寝静まる寝室で起きた悲劇

ドスッ。

私の右側の太腿あたりに何かが当たった。いや、当たったというよりは蹴られたという感覚に近い。その鈍い痛みで私は目が覚めた。目は覚めたといっても完全に目は開けていない。なるべく早く夢の中に戻りたい。まだ寝ていたい。そういう思いから目を完全に開かないまま、痛みが走った周辺を右手を伸ばしてダメージを与えた主を探した。

ちょっぴり冷えて、ちょっぴり温かいものが右手に当たった。スー坊の足だろう。体を少しだけ起こして、目を少しだけ開く。スー坊が眠り始めた時の姿勢から90度回転し、さらにはその足が私の太腿あたりにあることを確認した。私は完全に体を起こし、ちょっとだけスー坊を転がして、タオルケットをかけた。これでもう大丈夫だろう。そう思った。私は再び自分の布団に横たわり、天井を見つめてすぅっと深呼吸をした。

オレンジ色の常夜灯が部屋を照らしている。部屋の中はとても静かだ。妻と子供たちの寝息と、除湿運転をしているエアコンと扇風機が風を送る以外の音は何一つ聞こえない。私は目を閉じて夢の中に入ろうとした。そのときだった。

ドスッ。

「男の急所」に痛みが走った。クリティカルヒットではないのが幸いだった。が太ももと「玉」の間というのか、その部分にスー坊の足が振り下ろされたのだ。

起き上がってみると、スー坊の体はまたもや90度回転していた。「こやつの体に何かが取りついているのだろうか。私に恨みを持つ誰かの怨念が―。」「そんなバカなことを考えてるんじゃないよ。」と心の中の私たちが言いあっている。ふぅっと一呼吸。スー坊を転がし、私とスー坊の間に毛布でバリケードを設置した。これで大丈夫だろう。そう思うことにした。

再び私は寝床に横になり天井を見つめた。そして静かに目を閉じて、呼吸を繰り返す。私の意識は漆黒の沼に沈んでいく―。そのようなイメージを持ちながら、呼吸を繰り返していた。その呼吸の途中で姿勢を変えたくなった。

天井は私の正面にあった。右か左に寝転がろう。その前に、縮こまった体を伸ばすのがいいかもしれない。そして私は静かにぐっと引き延ばされるイメージをもってつま先から背中まで、ピンとなるように体を伸ばした。

ピキッ

体の中に電撃が走った。私の右ふくらはぎがつってしまったのだ。ものすごい激痛がふくらはぎを伝って脳に突き刺さる。本当にそんな感じだった。声にならない叫びをひとしきり上げた後、急いで右足を伸ばそうとする。痛みは継続中。首を前後に揺らし、この激痛との戦いが始まった。

できるのは足を伸ばすことのみ。右手でつま先をつかみ、足首の曲げ伸ばしをする。痛みはまだひかない。しかし、やめるわけにもいかない。どれだけの時間がたっただろう。徐々に痛みがひき、ようやく平穏が訪れたのだ。しかし、ふくらはぎには若干の違和感がある。こればかりは仕方ない。すこしだけふくらはぎを揉み解して布団の上に横たわる。

首だけを動かして眠っている妻や子供たちのほうを見る。スースーと寝息を立てて、穏やかな寝顔を見せている。

私は目を閉じて、再び意識を沼底に沈めるように呼吸を繰り返した。三度目の正直。私はやっとのことで意識を沼底に沈めることができた。

ここまで読んでくださりありがとうございました!では!

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