およそ10年間。生活を共にしてきた脂肪腫とお別れしたのでその報告をしたい。
特に生活上困ることはなかったのだが、自分よりも他の人が気になるこの脂肪腫。診察と検査を得てやっと手術までこぎつけた(大げさ)。病院について受付を済ませ手術の時を待つ。術前の説明では、手術時間は30~60分と言っていた。特にトラブルもなく終わればいいなと思いながら時間が来るまでスマホのニュースを眺めていたりした。そして私の番号が呼ばれた。
上の服を脱ぎ、ベッドにうつぶせになってくださいと言われたのでその通りにする。すこし待機した後に先生が登場。消毒をした後、局所麻酔を打って麻酔が効くまで待機。脂肪腫が大きめなので、痛くなったら麻酔を追加するので言ってくださいとの説明を受けた。どれくらい待っただろう。「では始めます」と先生が言うと、電気メス特有のチリチリ…という音が聞こえ始めた。
痛みはない。
痛みはないが自分が見えないところで背中が切られているんだなと思うと、なぜかニヤニヤしてしまった。我ながら気持ち悪すぎんだろ。やがて焦げたようなにおいが鼻をつく。俺の背中焼けてんのかなとか変なことを考え始めてしまったので、これはいかんと心を無にするように努めた。背中を押したり引っ張ったりしているような感覚。脂肪腫はどんな風にできてて、どんな風に取っているのか気になった。手術の途中で痛みが出た部分があったので、その旨を先生に伝えた。麻酔を追加して手術再開。なんとなくだけれど脂肪腫は背中を切開して皮膚についた腫瘍をそぎ落とすような感じでとっているのかなと思った。手術中は看護師さんが「順調に進んでいます」「脂肪腫とれてますよ」など、手術中の様子を伝えてくれた。痛みが無いかなど気にかけてくれたこともよかった。
無事、脂肪腫を取り除き、縫合というタイミングで看護師さんと先生の会話に思わず笑ってしまった。
看「これ、筋肉ですか?」
先「そう。これ全部広背筋。」
先「久しぶりに診ました。綺麗ですね。」
今回は筋肉の上に脂肪腫だったから局所麻酔にしたが、もし脂肪腫が筋肉の下にできていたら全身麻酔だったね。と言っていた。筋肉の上にできた脂肪腫でよかった。
縫合が進んでいくと同時に尿意も高まってきた。思わず「トイレ行きたいんですけど…今、無理ですよね?」と聞いてしまった。看護師さんは「すみません、あと5分ほどなので!終わったらトイレに行ってきて大丈夫なので…。我慢できますか?」と言ってくれた。「大丈夫です」と伝えたが、実際は結構ぎりぎりだった。そしてなんとか耐えた膀胱。平静を装い、部屋を出てトイレに一直線。用を済ませて、何食わぬ顔で戻り、手術後の過ごし方や、診察についての説明を聞いて終わり。手術に関しては特に問題なく終了したので安心。抗生物質と痛み止め、傷口に塗る軟膏とガーゼ、テープを貰って終了。
手術で一番痛かったのは、手術開始直後の麻酔。多分10カ所くらいに麻酔を打ったんだけど、針が刺さったときの痛みと麻酔を注入したときに皮膚の中のものが圧迫される感じが想像していたよりも痛かった。苦手な人多いだろうなと思った。
先生、物腰柔らかくてとてもいい人そうな先生だったのだけれど、手術中、何かぶつぶつ言っていて、なんて言っているのか気になってしょうがなかった笑
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