The Life Records Of Zeronicle

一度きりの人生の記録

今だから話せるある夏の思い出

特別お題「今だから話せること

今だから話せること」。このお題を見たとき率直に思ったことは「そんなものないなぁ」だった。「当時は本当に悩んだけれど、今となれば笑い話」とかそういうのが思い浮かばなかったのだ。しかし、よくよく考えてみると私にもそういう物があることに気づく。それをお話ししよう。


これは私が中学3年で迎えた夏休みの時の話である。夏休みの宿題の一つであるグループワークのため、友人が4人ほど家に来ていた。(何のグループワークだったかは忘れた…)
自分の部屋は狭くて散らかっていたので、来客用の部屋(こういうとしっかりした部屋を思い浮かべるかもしれないが、大きいテーブルとプレステなどのゲームがあるだけの質素な部屋だ。)で宿題をしていた。
宿題が終わったので、家にあったジュース(カルピスとか)を飲みながら、プレステの電源を入れた。受験生にあるまじき行為だが、当時はリフレッシュもかねていたのだと思う。
来客用の部屋ではあるが、エアコンも入れておらず、扇風機で暑さをしのいでいた。扇風機で暑さをしのげていたのだから、今と比べると気温は低かったのだろう。恐ろしい…。
今と比べて涼しいとはいえ、夏であることには変わりない。氷が入っていて冷えたカルピスはとても美味しかったのを覚えている。
そんな平穏な時間が、いきなり崩れるとはこの時誰も思っていなかった。
ゲームをしていて1時間にも満たない時間に、いきなりテレビが黒煙を噴いたのだ。
「えっ!!?!?」
その場にいた全員が驚いて言葉が出なかった。火事になるかもしれないと思った俺は、急いでテレビのコンセントを抜いた。
「火は出ていないか?」
しばらく静観していたが、火が出る様子はなかったので、宿題も終わったし…ということで何事もなかったかのように解散した。


しばらくして弟が部活から帰ってきて、「テレビがつかないんだけど?」と言ってきた。それに対して俺は
「マジで?」
ととぼけて返答。テレビのスイッチを何度も押してもつかないことを確認させた後に、
「もしかしたらテレビが壊れちゃったのかもしれないねぇ。」
なんていう始末。


この日の夕方、親にもなんで壊れたかわからないというような態度を貫き、この出来事は俺とその場に居合わせた友達のみが知っている出来事となっている。
この場を借りて、この思い出を供養したいと思う。


ちなみに受験を控えた冬休みにテレビを買う(モノラルで3万くらいのもの)ことを試みたが、近所の電気屋さんに親が先手を打ったらしく、受験が終わるまでは買うことができなかった笑
でも約束通り、受験が終わり合格が決まった3月に売ってくれたことも付け加えておく。


これが今だから話せる話である。