The Life Records Of Zeronicle

一度きりの人生の記録

【ニキ日記】異様な匂いを漂わせる男。



この日のニキはよく動いていた。物理的に。まるで働きアリが餌を運ぶかのように。


私の隣に座っている社員さん(以下、Hさん)と何やら話していた。どうやら会議の時間がかぶってしまい、交渉しているようだ。その際に会議室の場所がわからないから案内してほしいとの要望がニキからHさんに伝えられた。まるでお菓子を買ってほしいとねだる子供の用に。
快諾するHさん。Hさんは、「じゃぁ、その会議室に案内しますね。」と言って、2人は会議室へと向かった。


その際、ニキからは変な臭いがした。体臭ではなさそうだ。変な質の悪い香水のような。とにかく私にとって嫌な臭いだった。そういえば3,4年前、仕事をしていた時に他部署の事務員の女性が作業していたフロアに来た時があった。その女性からは信じられないくらいの強烈な香水な匂いがしていた。思わず「くっさ!」と心の中で思ったほどだ。本当にきつくて息ができなかった。口呼吸でもわずかに鼻を刺激したあの臭いはマジで頭おかしくなるかと思った。ちびまる子ちゃんに出てくるヤマダのように。


ニキの臭いはさすがにそれほどではないが、臭かったので思わず友人に愚痴った。


「今日のニキの匂いがくせぇ!」


そしたら友人からは「もしかしたらデートかもしれない」と返信があった。


「デート…。」友人はニキとは面識がないが、分析力があるやつなので、私なりにその可能性があるのか考察してみた。


ニキをこっそり、そしてさらっと観察してみる。少し考えた結果、その可能性はあるかもしれないと思った。なぜならニキは今まで見せたことがない白のパンツを履いていたからだ。普段はジーンズだったりするので、この白パンツは彼なりの勝負服の可能性があると判断した。私なりの結論が出たところで、友人に返信する。


「それはあるかもしれない。白パンはいてる。」


するとどうだろう。友人からは鬼のような一言が来た。その一言を聞いたらニキは膝から崩れ落ちるだろう。爆破された古いビルが足元から崩れ落ちるように。


「早く振られてしまえ!」


そのメッセージをみて、ニキが意中の女性に振られ、降りしきる雨の中で涙を流し、歯を食いしばりながら嗚咽と共に地面をたたく絵が浮かんだ。


頑張れニキ。諦めずに努力を継続すれば、きっといつかは報われる。光がさすだろう。


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