守護神に花束を
ありがとう、クォン・スンテ!
12/3にJ1の最終節が行われた。鹿島アントラーズはホームで横浜FCを迎え撃った。試合は2-1で鹿島アントラーズが勝利した。ひさしぶりの勝利である。2点リードしてから1点返されるも、集中力は途切れることなく、そのまま逃げ切ることに成功した。ホームでサポーターが見守る中、無事勝利したチームを見せることができたのはプラス材料だと思う。敗戦後の監督や選手の挨拶は精神的にも苦しい物があるはずだ。チームとしての目標は未達である者の、勝利で飾れたことは安心したという部分があったのではないだろうか。そして何より、今シーズンで現役引退を決意したクォン・スンテを勝利で送り出せたことが個人的にも嬉しかった。当時鹿島アントラーズが唯一取れていなかったタイトルACL。アジアの頂点。長年、鹿島アントラーズの守護神は曽ヶ端準だったが、年齢による能力の衰えにより(それでも凄いキーパーであることは間違いないのだが)、曽ヶ端と競えるキーパーが必要だった。そこでクラブはアジアの頂点を獲った実績を持つ「クォン・スンテ」に白羽の矢を立てた。クォン・スンテが鹿島に加入すると、彼がスタメンに顔を連ねるまでに時間はかからなかった。間違いない技術、そして強いハート。そして人間的にもできた選手だった。そんな彼と共についに鹿島アントラーズは念願のアジアの頂点に立つことができたのである。そして今。鹿島のスタメンのGKには若手の早川が居座っている。それでも練習に一生懸命。クラブに明るさを与えてくれていた。そんなクォン・スンテはサポーターたちだけでなく、選手たちにも愛されていた。
クォン・スンテが引退の挨拶をサポーターの前でするとき、彼の前には家族の姿が。どうやらサプライズだったらしい。クォン・スンテの目からは、涙があふれた。そして私たちの目にも涙があふれた。
今までありがとう。クォン・スンテ。優しいその笑顔、鹿島に貢献してくれた姿勢、時には鬼のような形相になるあなたの姿は決して忘れない。