3/12に彼女さんと映画を見に行ってきた。本来であれば『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』を観たかったのだけど、時間が合わなかったので原作が池井戸潤である「シャイロックの子供たち」を観てみたいと伝えたところ、快く了承してもらえたのでそれを見ることになった。
「シャイロックの子供たち」は同名の小説が原作で、ドラマ化もしてたらしい。これは知らなかった。また、Wikipediaによると小説ともドラマとも展開が異なるとのことだった。知識ゼロで見に行ったので、展開が異なることに関して特に違和感などはなかった。
映画を見ていて率直に思ったのは、この映画を見て銀行員になりたいと思う人はいないんじゃないかって心配になった。
パワハラが日常的に行われ、その結果精神崩壊、私腹を肥やすために隠ぺい、不正をする…とんでもない世界だなと。実際の銀行とどれくらい一致しているのか気になるところ。
一通り見終わった後、「シャイロックの子供たち」とは誰のことなのか考えた。
シャイロックはシェイクスピアの「ヴェニスの商人」に出てくる、強欲な金貸し。(調べた笑)
とある裁判で、金を貸したやつの肉を切り取る!といって、裁判官にもその判定は認められたものの、血の一滴も流してはならないとの判決が出た。
結局、シャイロックは何も得る物はなく、法廷を去っていった。
そうすると「シャイロックの子供たち」は、一時的には何かを得る寸前まで来たものの、結局何も得ることができなかった者たちのことを指すのだろう。
欲望のままに人をだまして罠にはめて、私腹を肥やした者たち。やむなく不正に手を出した者たち。
最後には罪を犯しながらも、そこから罪を償い、人として生きることができたもの、それができなかったものに見事に分かれた。
映画のストーリーに触れずに感想を言うのはなかなか難しいのだけれど、結果的に人として生きることを選んだ人たちは報われたので、いい終わり方をした映画だなと率直に思った。
ただ、それができなかった極悪人にはもっと罰を下してほしかったなというのが本音。
いずれにしても良作だった。
なんらかのプラットフォームで配信されたら、また見たいと思う。