今現在、私は医療系のプロジェクトに従事している。現在のプロジェクトはかれこれ3年ほど続いている。今年から仕事の量が増えたこともあって、直接客先に出向く頻度が高くなった。一番最初に客先に出向いた日。普段関わらない社員さんと初めて会うことになった。場所がとある研究施設であるため、そこにいる社員さんはごく一部。その中に一人、よく言えば落ち着いた、悪く言えば地味なチェックのシャツを着た50代と思われるオジサマ(以下、オジサマ)がいた。役職はわからないが、「地味だけど仕事はできる人なんだろうな」というのが初めて抱いた印象だった。
そんなある日。
私が客先で作業をしていると、ずんぐりむっくりしている日本人(以下、ずんぐり)と彫りの深いアジア系の男性(以下、エイジア)が訪れてきた。私は大きなテーブルの一角で作業をしていて、その二人の様子を仕事をしながら見ていた。彼らはどうやら打ち合わせのためにやってきたらしい。すると、私が普段仕事でかかわっているお客さん(以下、Cさん)から、「すみませんが、ここで打ち合わせをさせてください。」と伝えられた。むしろ私がここから外れるべきではと思ったのだが、「このまま作業をしていても問題ないですよ」とのことだったので、お言葉に甘えてそのままパソコンに向かってドキュメント作成を進めていた。
打ち合わせはずんぐりとエイジア、Cさんとオジサマ、そして偉そうなオーラを放っている男性の5人で行われるようであった。そして打ち合わせが始まる。どうやら発生した問題とその問題に対する方針を決める打ち合わせのようであった(雰囲気的に)。打ち合わせが始まると、エイジアが英語で何か説明を始めた。
(…。なるほど。エイジアが説明して、ずんぐりが日本語に翻訳するのだな。)
―と、なぜかどこか得意げに情報を悟ったつもりの私。だが、次の瞬間私の中に衝撃が走った。
なんと、オジサマが素人にもわかるくらい、かなり流暢な英語をしゃべりだしたのだ。私の予想、大外れ!
(な、なにぃ!!?!?)
すると、エイジアも英語で応対。その他参加者も「あー、なるほどー。」とかいう始末。ずんぐりも英語を話していた。
(え~!?!?みんな英語解るのかよー!)
グローバルな環境に身を置く人たちに英語というのはコミュニケーションを図るための有用なツールなのだろう。発音が良い悪いは多少あったものの、みんな英語を使いこなし、意見を交換していた。打ち合わせに参加していた能ある鷹たちが輝いて見えた。
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