9/21の夜。奥様から末っ子が蚊に刺されまくったという話をしてくれた。「それは大変だ。かわいそうだなぁ」というぼんやりした回答をしてしまったが、今となってはこの回答をした自分をぶん殴ってやりたい。私は何もわかっちゃいなかったんだ。蚊に刺されまくった末っ子がどういう風な状態になっているのかを…。
夜明け前。末っ子は泣いた。これ自体は良くあることだ。奥様と自分があの手この手で末っ子を落ち着かせる。落ち着いた末っ子はすやすやと夢の中に戻っていく。
一週間最後の日である金曜日。出社のため最寄り駅に向かっているときだった。スマホが震えた。通知を確認すると奥様から写真が送られてきた。中身を確認して目を大きく見開いた。ただでさえ細い目が眠気によってさらに細くなっていた目。それが150%くらい大きさに開いたのだ。その理由。それはその写真に写ってたのは末っ子の写真だった。写真の中の末っ子は笑っていた。右目が大きく腫れた目で。その腫れあがり方、ボクシングの試合後の如し。
彼が刺された部位は首、顔、腕、目にわたる…。蚊に刺されてあんなに腫れあがるとは予想だにしていなかった。
蚊に刺されまくったということがどれほどのものだったのか。
私は「蚊に刺されまくった」という話を聞いたとき、それでどんな風になってしまったのかを聞くべきだった。残念なことに、私はその話を聞いて自分の想像の中で完結してしまった。
これでは気持ちに寄り添うことはできない。大反省である。
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