深夜のコンビニ
社会人1年目。季節は冬。当時住んでいたところは新横浜。1年目から激務に追われ、この日も退社した時間は22時を回っていた。夕飯は19時ごろに済ませているものの、遅くまで働いていたこともあって小腹が空いていたので、帰宅途中にあるコンビニ「ファミリーマート」に立ち寄ることにした。
立ち寄ったコンビニに客はあまりいなかった。弁当が陳列されているところに向かったが、弁当はあまり無く、ドリアやグラタンなどがちょこんと陳列されていた。肌寒い季節だったものだから、体が温まるものにしようと「グラタン」を選びレジに向かう。レジには若い女性店員が暇そうに立っていた。私が近づくとハッとした感じで仕事モードに切り替わった。
「温めますか?」
店員は問う。
「お願いします。」
私は答える。
店員は電子レンジの中にグラタンを入れてスイッチを押した。ビニル袋を取り出し、袋を広げ、温めたグラタンを入れる準備をする。
「お箸をお付けしますか?」
店員は問う。
「はい。」
私は答える。
―ん?
お箸って言った?ん???
店員は袋の中に割りばしを入れた。
(グラタンを箸で食べろってか―。)
温め終わったグラタンを袋の中に入れて私に渡す。
「ありがとうございました」
疲れていたし、スプーンに変えてもらうのも悪い気がして、その場を後にした。
家に帰って割り箸でグラタンを食べる。
「やっぱ割りばしでグラタンは食べづらい。」
夜な夜な独り言ちた。
掃除機を買いにビックカメラへ
時は2010年代。日立製の掃除機を5年ほど使っていたのだが、掃除機本体が重かったのと自分が動かなくても掃除してくれる掃除機が欲しいと楽をしたいがためにロボット掃除機を買うことにした。ちょうどその時はロボット掃除機が続々と出てきた戦国時代だった。思い立ったが吉日。そう思い、ビックカメラに行くことにした。その時はろくに下調べもしておらず、「ロボット掃除機と言ったらルンバ」という感じだった。ビックカメラに到着して家電製品が置いてあるフロアに行くと、「ロボット掃除機コーナー」なるものがあった。目標の場所がすぐ見つかったのでそこに立ち寄ると、6種類くらいのロボット掃除機が茣蓙の上に置いてあった。そこでは実際にロボット掃除機を動かすことができた。実際に動いているところを見てしまうと、別にルンバじゃなくてもよさそうだなぁと判断がぶれ始めた。その様子を察してか、自分より年上であろう店員がやってきた。
「何かお困りですか?」
そう質問してきた店員に、私は「ロボット掃除機の購入を検討していること」と、「ルンバを買おうとしていたけれど、実際に観るとルンバじゃなくてもいいような気がしてきた」と正直に話した。店員は軽く頷くと、ゴミを吸い取るという点ではそんなに差が無いということ。機能面やお手入れのところでちょっと差があるくらいだということを教えてくれた。
「まぁそれでも私が買うんでしたらルンバですかね。最新機種だとスケジュールの設定もできます。」
スケジュール機能なんかあるのか!!と衝撃を受けたことを覚えてる。しかし、家にいるのは夜だけ。休日もどちらかというと外出することが多かったものだから「それはいらないなぁ」と思った。「スケジュール機能はいらないですね。最新機種じゃなくても大丈夫です。」と私は答えた。
「ではルンバの〇〇はいかがでしょう?」
パンフレットを貰ったので、軽く性能面をチェックしてみる。スケジュール機能はない。スイッチを入れたらドッグを出て、掃除を開始する。掃除が終わればドッグに戻る。「これだけあれば大丈夫だ。」と判断した私は念のため、他の掃除機についても検討したいといった。
すると店員は、ルンバ以外の掃除機のダメなところを次々と披露してくれた。「お手入れのときは掃除機本体とドッグ両方を掃除しなくてはいけなくて―。」「デザインがちょっと残念―」…etc。今思えばこれは完全に店員の主観だ。ひろ〇きだったらすかさず「それってあなたの感想ですよね?」と言っていただろう。
しかし、そのときの私はその説明に納得して店員が勧めてくれたルンバを買うことになった。2年くらいはお世話になっただろうか。その後引っ越しを機にルンバは実家に持って行った。そして今、そのルンバは実家にある私の部屋の中で、今か今かと活躍の場を待っている。要するに使われていない…。
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