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【読書感想】AI VS. 教科書が読めない子どもたちを読み終えた

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12月から読み始めた「AI VS. 教科書が読めない子どもたち」をようやく読み終えたので、その感想をさらっと書いていく。

zeronicle.com
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中盤を過ぎたあたりから衝撃的な内容になっており、そこから読み終わるまでは早かったと思う。

感じたのは未来への危機感

本書の始まりはAIに関することから。東大に合格することを目標としたプロジェクトにAIが挑戦。そこからAIが得意とする分野、苦手とする分野を紹介してくれる。AIは「膨大な量のデータを解析して答えを導く」ことはできるものの、「0から1を生み出す」ことはできない。AIの能力を過信するのは危ない。そしてAIは文章の解析をするものの、意味を理解しているわけではない。だから文章の意味を理解して問題を解くのは人間にしかできないのだ―。と思いきや、このあとの内容に衝撃を受けた。それが本著のタイトルにもある「教科書が読めない子どもたち」である。AIは「知力が低い子どもたちより十分に優れている」ということが言いたいんだろうなと思っていたが、そうではない。この本を通して「子どもたちの読解力」がこれほどまでにやばいと知ることができたのはよかったかもしれない。

中学生や高校生、それも優秀と言われるくらいの成績を出している生徒たちの約3~5割が「文章を理解できていない」というのだ。そこに関しては「嘘だろ…」と思わず口をついてしまった。たいして難しいとは言えない文章にもかかわらず、それが解けない。「なんとなくこういう意味だろう」とか「文章を読み飛ばしてしまった」で、正しく理解できないまま問題を解いてしまうというのにも驚きだった。「ドラゴン桜」で数学の問題(とくに文章問題)を解くには「国語」の力が必要だというような話があったが、まさにそれではないか。

・幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた。
・1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた。
以上の2文は同じ意味でしょうか。
(『AI VS. 教科書が読めない子どもたち』から抜粋)

今の日本の教育は「AIに奪われかねない能力」を伸ばす教育になってしまっている。今の日本に必要なのは「中学卒業までに教科書が難なく読めるくらいの読解力」であるときっぱり言い切っている。読解力が無いと、本や仕様書に書いてあることが理解できず、仕事にも支障が出る。そしてその読解力がない学生がゴロゴロといる状況。そんな学生が社会に出てくるのである。恐ろしい。そういえば、思い当たる節がある。「仕事ができない」新人がいた。おそらく、仕様書を読んでも理解できていなかったのだろうと。「紙に書いてある文章を読んでも、何をしたいのかわからない。イメージもわかない。」結局長続きせず会社を去って行った。
もしかしたら小中の学校の先生たちは「なんか、教科書を理解できているのか不安だ。」とうすうす気づいているかもしれない。そんな現状に見向きもせず、英語力を伸ばせだの、プログラム教育を導入だの決める政府。そんなことよりも大事なことがあることを政府はわかっていないことにも危機感を感じる。「読解力を伸ばす教育」の優先度を高くすべきだ。

簡単な仕事は人件費が安いところ(日本以外の国)に流れるだろうし、企業にとってはちょっとしたコストが命取りになる。AIが普及してきたら人も企業も変わらないといけない。それは行動だったり考え方だったりするのだろう。「今までこうやってきたから」という思考では淘汰されてしまう。必要なのは「あらゆる事象に対応できる思考」なのだろう。昔の常識は通用しない。
もしかしたら、政治の在り方も変わってくるんじゃないかな。というか、ここまでぼろぼろになっているのだから変わってほしい。

AIが普及し、AI社会になったときの最悪のシナリオとして、「AIに仕事を奪われた人は、AIができない仕事をするほかないが、AIができない仕事をできる人がいない。」というのが発生する。そうするとその仕事を奪われた人間は、低賃金な誰にでもできる仕事をするか、仕事にもつかずふらふらするかの二者択一―。
そして訪れるAI恐慌とも呼ぶべき世界的な大恐慌―。

そのような未来を避ける、あるいは生き残るためにはどうすればいいか。答えはもうほぼ出ている。「人間にしかできないことを考え、実行に移していくこと。」
需要が供給を上回るようなことを見つけるのは大変かもしれないけれど、やるしかない。個人的には人と人とのつながりが大事だと思うし、そこに何かしらの仕事のヒントがあると考えている。

読み始めは少し退屈気味な内容だったけれど、徐々に危機感が出てくる構成になっていてのめり込んでしまった。
良著。

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